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在宅で心と体のリズムが乱れたとき|訪問看護が一緒に考えられること
在宅療養のヒント
/ りたのわ
家で過ごす時間が長くなると、生活は少しずつ、音もなく崩れていきます。寝る時間が30分ずつ後ろにずれる。食事が2回になり、1回になる。お薬の飲み忘れが週1回から週3回になる。どれも、ある日突然ではなく、じわじわと。
本人はよく「だらけちゃって」と自分を責めます。でも、私たちが訪問先で見てきた限り、これは怠けではありません。体調や気分の変化、環境の変化が重なった結果として、リズムが崩れているのです。責めても戻りませんが、手当てをすれば戻ります。
よくある崩れ方、3つのパターン
ひとつめは、夜ふかしの連鎖です。眠れない夜が続き、昼間に眠くなり、昼寝でさらに夜眠れなくなる。背景に不安や気分の落ち込みが隠れていることも多く、「夜ふかし」だけを叱っても解決しません。
ふたつめは、食事の変化。量が減る、回数が減る、逆に過食に振れる。食欲は、こころの調子を映す正直な鏡です。
みっつめは、お薬の「飲みたくない」。飲み忘れだけでなく、副作用への不安、「もう良くなった気がする」という自己判断、生活の不規則さ——理由はひとつではありません。そして、この「実は飲んでいない」を主治医に言い出せないまま診察日を迎える方が、とても多いのです。
訪問看護にできること
先にできないことからお伝えすると、私たちは薬の調整や治療方針の変更はできません。それは医師の仕事です。
私たちができるのは、暮らしの現場で起きていることを丁寧に拾い、医師に伝わる形にすることです。「実は3日飲んでいません」を、責められずに言える相手がいる。その情報が、次の診察で正確に医師に届く。これだけで治療の精度は大きく変わります。
もうひとつは、小さな目標の設計です。「生活リズムを整えましょう」では大きすぎるので、「まず朝、カーテンを開ける」から始めます。拍子抜けするほど小さな一歩ですが、小さいからこそ続きます。続いたら、次の一歩。この積み重ねの伴走が、訪問看護の得意分野です。
ご家族の方へ
服薬の声かけ、食事の心配、夜中の物音への警戒——ぜんぶをご家族が背負うと、必ずどこかで息切れします。「正しく管理しなきゃ」をひとりで抱えず、専門職と役割分担してください。ご家族には、ご家族にしかできない役割(一緒にごはんを食べる、普通の話をする)に専念してもらえるのが、実はいちばん治療的だったりします。
ご利用は、かかりつけ医や地域の窓口を通じて計画に位置づけられるのが原則ですが、その手前の「最近こんな様子が気になる」という段階のご相談も受けています。お問い合わせからどうぞ。
※本文は一般的な説明です。症状やリスクが高い場合は、早めに医療機関へご相談ください。