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自閉スペクトラム症(ASD)ってなんだろう——「こだわり」の裏にあるもの
発達障害を知る
/ りたのわ
保育園からの帰り道、いつもの角を曲がらずに工事の迂回路を通ったら、その日の夜まで機嫌が戻らなかった。訪問先で、あるお母さんがそう話してくれたことがあります。「たかが道順で、って思っちゃう自分もいるんです」と。
その気持ち、よく分かります。でも、たかが道順ではないのです。
本人には「いつもと同じ」が命綱
自閉スペクトラム症(ASD)のあるお子さまにとって、世界は私たちが感じているより、ずっと予測のつかない場所です。音も光も人の表情も、洪水のように流れ込んでくる。その中で「いつもの道」「いつもの服」「いつもの順番」は、嵐の海に浮かぶブイのような、数少ない確かなものです。
だから、こだわりを無理にはがそうとすると、お子さまは命綱を切られたような不安に襲われます。抵抗が激しくなるのは当然で、しつけの失敗でも、わがままでもありません。
「スペクトラム」という言葉の意味
スペクトラムは「連続体」、つまりグラデーションのことです。特性の濃さも出方も一人ひとり違って、「ASDである・でない」の間にはっきりした線は引けません。おしゃべりが得意な子もいれば、ことばがゆっくりの子もいる。診断名は、その子を理解するための入り口であって、その子のすべてを説明するラベルではありません。
診断がついた日、ショックを受けるご家族は多いです。一方で「今までの育てにくさに、やっと名前がついてホッとした」と話す方も、同じくらい多い。どちらの気持ちも、そのままでいいと思います。
家庭でまず試してほしい、たった2つのこと
支援の本はたくさんありますが、最初の一歩はシンプルで大丈夫です。
ひとつめは、予定の変更をできるだけ前もって、目に見える形で伝えること。口で言うより、カレンダーに書く、絵や写真で見せるほうが、ずっと伝わります。「明日は病院だから、いつもの公園はお休み」を前の日の夜に。当日の朝では遅いことが多いです。
ふたつめは、「なんでできないの」を「どうしたらできそう?」に言い換えてみること。責める問いから、作戦会議の問いへ。これだけで家の空気は変わります。すぐには無理でも、十回に一回言い換えられたら上出来です。
ひとりで研究しなくていい
ASDの子育ては、情報を集めるほど「結局うちの子はどうすれば」と迷子になりがちです。一般論と、目の前のわが子のあいだを埋めるのは、実際の生活を知っている伴走者の仕事。りたのわは家に伺う看護だからこそ、その子の「いつも」を一緒に見つけられます。相談の入り口はこちら。群馬の相談窓口はお役立ち情報にまとめてあります。