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感覚過敏との付き合い方——音・光・服のタグがつらい子へ
ご家庭での関わり方
/ りたのわ
新しい服を買ってきたのに、袖を通した瞬間に脱ぎ捨てられた。理由を聞いたら「チクチクするから」。よく見たら、家じゅうの服のタグが全部ハサミで切ってある——そんな経験はありませんか。
音、光、におい、味、肌ざわり。特定の感覚刺激が人一倍強く届いてしまうことを、感覚過敏といいます。発達特性のあるお子さまにとても多く、そして周囲からいちばん誤解されやすい特性でもあります。
「慣れさせよう」が裏目に出る理由
わがままに見えるので、つい「少しずつ慣れさせないと」と考えたくなります。ただ、本人の感じ方を想像してみてください。黒板を爪で引っかく音を、毎日、給食の時間じゅう聞かされ続けたら。慣れるどころか、その場所ごと嫌いになるはずです。無理強いで感覚過敏がやわらぐことは、まずありません。恐怖の記憶が上乗せされるだけです。
道具と工夫で「削れる苦痛」は削っていい
イヤーマフをつける。タグのない肌着を選ぶ。給食は量を減らしてもらう。こうした対応を「甘やかしでは」と心配される方がいますが、視力の悪い子に眼鏡をかけさせるのと同じことです。本人の努力ではどうにもならない部分を道具で補い、余った体力で他のことをがんばれるようにする。それだけの話です。
家でできる工夫は、地味なものがよく効きます。掃除機をかける前に「今からかけるよ」と一声かける。それだけで、不意打ちの恐怖はかなり減ります。つらくなったときに逃げ込んでいい静かな場所を、家の中にひとつ決めておく。押し入れの中がお気に入り、という子もいました(薄暗くて狭い場所は、刺激が少なくて落ち着くのです)。
学校への伝え方
学校には「本人の努力不足ではなく、感覚の特性です」と、はっきり伝えて大丈夫です。今は合理的配慮という考え方が学校にも浸透してきていて、イヤーマフの使用や席の位置の調整など、相談に乗ってもらえることが増えました。伝え方に迷ったら、医療側から情報提供書を出してもらう方法もあります。
気づきにくい「鈍麻」にもご注意を
過敏の裏で、痛みや温度に気づきにくい「感覚鈍麻」が同居していることがあります。転んでもけろっとしている、真冬に半袖でも平気——かっこいいわけではなく、体のサインを拾いにくいのです。けがや体調不良の発見が遅れやすいので、まわりの大人の観察が頼りになります。
りたのわの訪問では、実際のお部屋の音や光の環境を一緒に見ながら、その子に合う調整を考えています。「うちの子、これって感覚過敏?」という段階のご相談も、どうぞ。