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きょうだい児のこと——「お兄ちゃんばっかり」にどう応えるか
ご家庭での関わり方
/ りたのわ
夕食の支度中、上の子の癇癪が始まって、つきっきりで1時間。ようやく落ち着いてふり返ったら、下の子がひとりで宿題を終えて、ひとりでお風呂に入る準備をしていた。「ごめんね」と言ったら、「大丈夫だよ」と笑われた——その夜、布団の中で泣いたのは親のほうでした。
支援が必要な子のきょうだい。支援の世界では「きょうだい児」と呼ばれます。よくがんばる、手のかからない、しっかりした子。でもその「しっかり」の中身を、少しだけ疑ってみてほしいのです。
「いい子」の静かなコスト
きょうだい児が抱えやすいものには、パターンがあります。
親に心配をかけまいとして、自分の悩みを言わなくなること。「自分はいい子でいなきゃ」と、年齢以上に空気を読むこと。友だちを家に呼びにくいこと。そして、兄弟姉妹への複雑な気持ち——大切なのに、うらやましくて、ときどき憎らしくて、そう感じてしまう自分に罪悪感を抱く、という何重にもねじれた感情です。
これらは思春期以降、進路の相談を親にしない、家を早く出たがる、といった形で表に出てくることがあります。早めに気づけるに越したことはありません。
完璧な平等は無理。でも「予約」はできる
時間もエネルギーも有限ですから、完璧に平等にするのは不可能です。あきらめてください——というのは投げやりな意味ではなく、平等の代わりにもっと効くものがあるからです。
それが「あなただけの時間の予約」です。月に一度でいい。上の子を誰かに頼んで、下の子とふたりだけでラーメンを食べに行く。豪華でなくていいのです。「この時間は、あなたのためだけにある」と予約されていること自体が、子どもの心の貯金になります。
日常でできることもあります。我慢に気づいたら、その場で言葉にする。「今日、待っててくれたの助かった」。それから、「お姉ちゃんなんだから」をできる範囲で封印して、その子自身の話題——部活、友だち、推し——を先に聞く。5分で構いません。
もうひとつ。きょうだいの障害や特性について、年齢に応じた言葉で説明してあげてください。何も知らされないまま「察して」我慢している状態が、子どもにとっては一番不安です。
外の手を増やすことは、逃げではありません
きょうだい児を守る一番の方法は、実は、親がひとりで全部を抱えないことだったりします。ケアの担い手が家庭内に一人しかいない状態は、その一人の疲弊が、そのまま全員の危機になるからです。
りたのわの訪問看護は、ご本人だけでなく家族全体を見る看護です。訪問中、きょうだいさんがそっと近くに座ってくることがあります。私たちはその子の話も聞きます。それも仕事のうち、むしろ大事な仕事だと思っています。ご相談はこちら。