トップ / 癇癪(かんしゃく)が起きたとき、まず何をする?——嵐の最中・後・前の3段階
癇癪(かんしゃく)が起きたとき、まず何をする?——嵐の最中・後・前の3段階
ご家庭での関わり方
/ りたのわ
スーパーのお菓子売り場の前で、床に転がって泣き叫ぶわが子。集まる視線。「しつけがなってない」と言われている気がして、その場から消えたくなる——癇癪は、子ども本人よりも先に、親の心をすり減らします。
対応のコツは、癇癪を「嵐」だと考えて、最中・後・前の3つの時間に分けることです。順番に見ていきます。
嵐の最中——目標は「おさめる」ことではない
意外に思われるかもしれませんが、嵐の真っ最中にできることは、ほとんどありません。興奮のピークにある脳には、言葉が届かないからです。説得も、お説教も、取引も、だいたい油を注ぐ結果になります。
このときの目標はひとつだけ。安全の確保です。投げたら危ないものを遠ざけて、頭をぶつけそうなら間に何か挟んで、あとは少し離れて待つ。見捨てるのではなく、刺激を減らすための距離です。
そして、親が声を荒げないこと。これがいちばん難しいのですが、大人の大声は嵐を確実に長引かせます。心の中で好きな歌でも歌いながら「落ち着いているふり」をしてください。ふりで十分です。本当に落ち着いている親などいません。
嵐の後——反省会は短く、ひとつだけ
嵐が過ぎて、本人がぐったりしたり、ケロッとしたりしたら(ケロッとされると腹が立ちますよね。分かります)、まず戻ってきたことを認めてあげてください。「落ち着けたね」のひとことでいいです。
言い聞かせたいことは山ほどあると思いますが、反省会は短く、伝えることはひとつだけに絞ります。「次は、嫌なときは口で言おう」くらいで十分です。
それから、これは大事な原則なのですが、癇癪で通らなかった要求は、落ち着いた後も通さないでください。「あんなに泣いたんだから買ってあげようか」をやると、子どもの脳は「泣き叫べば手に入る」と学習します。悪気なく、次の嵐が強くなります。
嵐の前——ここが本丸です
実は、癇癪対応の主戦場は、癇癪が起きていない時間にあります。
嵐には、たいてい引き金があります。空腹、疲れ、眠気、急な予定変更、楽しいことの「おしまい」の合図。1週間でいいので、癇癪が起きた時刻と直前の状況をスマホにメモしてみてください。「夕方5時台」「買い物の帰り」「ゲームを切り上げる場面」——パターンが見えてくると、癇癪は「突然の災害」から「予報のできる嵐」に変わります。予報ができれば、おやつの時間をずらす、買い物の前に約束を決めておく、終わりの5分前に予告する、と手が打てるのです。
このパターン探し、ご家族だけでやると「うちの子は全部が引き金に見える」と煮詰まりがちです。りたのわの訪問看護は、生活の場で一緒に嵐の記録を眺めて、その子専用の天気図を作る仕事でもあります。疲れ果てる前に、一度ご相談ください。